【ラジオ体操巡回エピソード2006


原稿が・・・

72() 兵庫県福崎町(特別巡回)
 巡回放送は、屋外か体育館かの判断が難しい。その土地のNHK担当責任者が、早朝4時頃に天気予報から決めるのだが・・・。この日の朝は晴れていたので、外で放送を出す事になり、参加者も
2000人を越えた。ところが、本番5分前に雨が降り出した。ピアノにはテントをかけてもらって、先生は濡れながらの放送開始。冒頭の地方紹介のコメントで、なぜか先生の口調がしどろもどろ・・・体操も、ちょっと変な時があった。後でうかがうと、水性サインペンで書いたコメントの原稿は水で流れ、おまけに整髪料が雨で目に入り痛くてたまらなかったそうだ。


米沢牛

725() 山形県米沢市
 今年も東北5日間担当だ。体力が必要で、移動が大変な所は、私が担当になる傾向にある。さて、前日の喜多方での昼食は、もちろんラーメン。そして米沢では迷う事無く牛! ランチで牛! やわらかくてジューシーで、あぁなんて幸せ(写真)
 地元牛関連の仕事の方が、牛について熱く熱く語ってくれた。若い牛の筋肉は赤身で美味しくない。中年になって贅肉が付き、脂肪が筋肉の間に入っていくと霜降りになって美味しいそうだ。足首の細い牛が特に良いそうだ。思わず「私も足首は細いんです」と言ってしまい「牛に対抗して、どうするんですか?」と突っ込まれた。


朝焼けの岩手山

727() 岩手県八幡平市
 この日の昼は、盛岡でわんこ蕎麦。学生時代、わんこ蕎麦118杯目で、お店の人にストップをかけられ、女の横綱になり損ねた記録を持つ私は、食べ始めると大変な事になるので、普通の蕎麦定食にした。宿泊先は日帰り温泉施設で、目の前に雄大な岩手山。露天温泉も最高だったが、何と言っても「岩手山の朝焼け」がきれいだった。日本は北に来るほど東になり、日の出が早いので、今朝は4時30分頃に陽が昇ってきた。沖縄は6時でも暗いのを考えると、本当に日本は広いと実感させられる。会場には、まるで温泉の入り口にあるような「歓迎」の文字が・・・。たくさんの参加者が岩手山をバックに体操して下さった(写真) 


悲惨な旅館

728() 青森県おいらせ町
 今日は私の誕生日。しかし、かなり悲惨な旅館でした。男女共同トイレに共同風呂。NHKのスタッフも同じ旅館に大勢泊まっているので、トイレでかち合うと気まずい。暑い夏、翌朝が早いのに、お風呂の順番待ちもきつい。おまけにようやく梅雨が明けたので、クーラーをつけたら、今年初めてだったのか部屋中ほこりだらけになった。きっと会場に近い宿は、ここだけだったのだろう。頭が青森の地図の形をした気ぐるみが、一緒に体操してくれた。ところで、おいらせ市といっても、あの有名な「奥入瀬」からは、かなり離れていた。この地での奥入瀬川は、大河だった。


変な太陽

86() 埼玉県北本市
 去年、名古屋で朝日が異常に大きくて驚いたが、今年も名古屋と埼玉で不気味な大きさの朝日を見た。都会でよく見るという事は、大気の汚れに関連しているのだろうか? まるでSFで見るような感じの太陽だ(写真)

若崎夫妻と歓談
812() 石川県白山市
 金沢に来ると、中学時代からの親友、若崎さんと会う事にしているが、「白山市」というネーミングから山奥を想像し、今年は声をかけていなかった。ところが、海が近く、金沢から各駅停車で3つ目の会場。急いでメールして、夕食後にホテルへ来てもらった。友達は、いくつになっても良いものだ。平成の大合併で、市の名前からするイメージと場所が、かけ離れている事が多い。


温泉の外湯めぐりと馬刺し

816() 長野県野沢温泉村
 バスに揺られて1時間。山の谷間に見えた村の第一印象は、まるでおとぎ話の国のようだった。ひまわり、朝顔、会場の古い校舎の隣は緑の水田(写真)。あぁー夏休みなんだと実感した。この村は、岡本太郎のロゴマークやモニュメント(写真)を使っている。そういえば、川崎市の岡本太郎美術館の展示作品にも、野沢温泉村のPRポスターがあった。NHKの正面玄関の壁画も太郎作品だったなぁ。さて、温泉はというと、無料で誰でも入れる(入り口にお賽銭箱あり)外湯が、狭い町中に10くらい点在している。熱めの湯だが、一番大きい大湯(写真)には、ぬる湯もあって入り易かった。湯船の周りが脱衣場というシンプルなつくりだった。


全国大会

820() 広島県広島市
 年に一度の全国大会は、テレビとラジオの同時放送で、おまけにいつもより5分長い15分番組だ。ピアニストは3人いるので、3年に1度担当がまわってくる。今回、指導の岡本先生は初めての全国大会だった。毎年8月の第一日曜日と決まっているのだが、今年の開催地の広島は、原爆の日と近くなってしまう為に準備等が大変で、20日の開催となった。リハーサル直前まで小雨が降っており心配だったが、放送時には雨も上がり、無事終了。18000人の皆さんが全国から集まった。こんなにたくさんの方の前でピアノを弾くのは、本当に嬉しい。

 さて、広島で珍しい物を発見(写真)。交差点にある大きな鳥かごのような物・・・これは、昔使われていた路面電車のポイントの監視塔。今も路面電車は走っているが、この監視塔は使われていないそうだ。帰りにはもちろん広島焼きを食べた。


かんぴょう料理

826() 栃木県下野市
 ここの名産はかんぴょう。かんぴょうは、夕顔の皮を薄くむいて干した物だが、海苔巻の中に入れるくらいしか思いつかない。ところが私この日、様々な食べ方で、何年か分のかんぴょうを食べた。天ぷら、味噌和え、お吸い物、デザートは夕顔の綿の部分を固めた、ナタデココのような食感のもの。まるで「かんぴょうの七変化」のようであった。


長寿の島・徳之島

831() 鹿児島県大島郡徳之島町
 徳之島空港は、一日2便の鹿児島行きと、1便の奄美大島行きしかない。羽田空港から鹿児島へ行き、空港で昼食。デザートに鹿児島名物の「しろくま」という練乳がけのカキ氷を食べた(写真)。くだものがカキ氷に張り付いていて、中にあずきが入っているデラックスなものだ。最近では東京のコンビニでも、手ごろな大きさで売っているそうだ。小さな飛行機に乗り換え、奄美と沖縄の中間にある徳之島へ。そこには、南国の青空が待っていた(写真)

 長寿の日本一だった泉重千代さんも、この島の出身。前日のリハーサルを会場の中学校で行った時、部活の女子生徒が参加してくれたが、とにかく素直で元気が良い。ラジオ体操の歌も歌詞を完璧に覚えていて、号令も大きな声でかけてくれた。今時の都会にはいない、生き生きとした中学生だった。

 夜は、地元の方々が歓迎会を開いて下さり、民謡日本一の歌い手による徳之島の民謡や、子ども達による伝統の舞踊などが披露された(写真)

 翌朝の放送終了後は、前日から煮込まれた牛汁や、豆とじゃこの佃煮や、よく冷えたパパイヤなどがふるまわれた。本当においしく、皆さんの気持ちがありがたかった。この島は、闘牛もさかんで、いくつもの闘牛場がある。空港へ行く途中に、チャンピオンの牛と、闘牛場(写真)を見学させていただいた。毎朝4時間ほど牛を散歩させて、筋肉を付けるそうだ。硬い肉なので、戦いに負けて死んでしまっても、その肉は食用には出来ず、豚のえさになるとか・・・年に何日かの闘牛の為に、日々 大変な努力をなさっている買主と牛に脱帽。

 帰りの飛行機は、鹿児島空港が悪天候で着陸出来ず、天気の回復待ちで
30分以上鹿児島上空を旋回。乗り換えた羽田行きは、東京で地震が発生し、滑走路の安全確認の為、伊豆の新島上空で1時間も旋回して時間待ち。陸上の乗り物だったら止まっている事ができるが、飛行機は飛び続けなければいけないのだと実感させられた。それにしても、羽田へ向かっていた飛行機が、いっせいにぐるぐる廻りはじめるのは何だか面白い。高度を変えれば、同じあたりを廻るのも可能だし、実際に窓から他の飛行機の旋回も見えていた。

皆様のお陰で、今年の夏期巡回も無事終了。ありがとうございました。
  加藤由美子


【ラジオ体操巡回エピソード2005

伊豆大島の車は品川ナンバー
5月22日(日) 東京都大島町
 初めての伊豆大島で まず驚いたのは、車が品川ナンバーだという事。なるほど、伊豆七島は東京都だから当然だけれど、「すもうナンバー」と馬鹿にされる「相模ナンバー」をつけている私には、うらやましかった。
 朝5時半に、東京都ラジオ体操連盟の参加者が400人も臨時の船で到着。放送後には、地元の方々が「あしたば汁」をふるまって下さった。
帰りに時間があったので三原山へ登りに行き、ラジオ体操連盟の方々に遭遇。白い上下の体操着姿の列が、延々と山頂へと続いている眺めは見事だった。一般の観光客は「何事か?」と目を白黒させていたが・・・

死んでいたピアノの復活
6月24日(金) 北海道日高町
 この日の放送に使ったピアノは37年ぶりに調律したものでした。ソフトぺダルには、添え木がされ 白い布が巻かれ、使用禁止状態。まるで骨折者のよう・・・。(元々ソフトペダルは使う必要が無いのでかまわないのですが)
調律師の方が「さっきまで死んでいたピアノです。ようやく息をふきかえしましたけれど、これが限度ですね。」とおっしゃった。巡回では、時々このような調律師泣かせのピアノに出会う。


朝5時のラッシュ
7月24日(日) 沖縄県うるま市
 沖縄は日没も日の出も遅いから、夜 遅くなってから出歩く人が多いようだ。
特にこの日は日曜だったので、朝5時にホテルを出て、放送会場へ向かう道は、帰宅する代行車のラッシュ。
 沖縄のラジオ体操参加者は、集合時間の6時前はまだ暗いせいか、出足の遅さも日本一。6時半の生放送中に、到着なさる方も多い。参加者人数を放送で発表するので、人数の確定がなかなか難しい。


放送に流れていない・・・
7月26日(火) 埼玉県吹上市
 なかなか良い放送で 満足してホテルに戻って朝食。しかし、我々の知らない所で事件は起きていた。初め5分間位の体操指導者の声とピアノの音などのマイクが生きていなくて、放送には会場の音しか流れていなかった。全国の皆さんの中には、ラジオが壊れたかと思って 叩いた方が多かった事と思います。
私の母も、ボリュームを上げたり叩いたりで、5分過ぎに音声が復活した時は悲劇だったようですから・・・今後このような事の無いようにしていきます。


力道山の親戚?
8月1日(月) 兵庫県猪名川市
 前日のリハーサルの時に、体操指導者の読むコメントに「多田銀銅山」という名称がありました。一瞬、何の事かわからず、リハーサル終了後に尋ねました。
「ねぇ、さっき力道山の親戚みたいな名前言ったけれど、どんな字書くの?」
全国の方も私と同じ疑問をいだきそうなので、放送では「銀や銅が多く採れ・・・」みたいな感じになりました。
字で見ると、何とも感じないでしょうが、耳で聞くと何の事か直ぐに理解出来ない言葉があります。そのような言葉の無い放送にと心がけております。


大きな大きな酒樽
8月13日(土) 岩手県石鳥谷町
 体力勝負の東北5日間巡回の初日の会場には、大きな酒樽の建物があった。運動公園の監視塔になっていて、2回の監視室からは酒樽だけに窓が360度ついていて監視しやすいらしい。近くにいた方に話かけたら、「建物についている水道の蛇口をひねってごらん、お酒が出るから・・・」と、しっかりからかわれた。言うまでもなく、日本酒のおいしい土地だ。


地震で新幹線がストップ
8月16日(火) 秋田県秋田市
 放送終了後、秋田市内の老人ホームへおじゃまして、みんなの体操の普及活動。その後、11:23の秋田新幹線に乗って23分後に地震発生。しばらく止ったままで、状況がまるでつかめず困惑。携帯電話も不通になってしまった。何とか大曲まではトロトロと走ったが、そこで停止。「本日の旅行は中止して下さい。」のアナウンス。こっちは何としてでも青森県名川市まで行かないと、1年がかりで用意してくれた地元の皆さんに申し訳がたたない。結局、秋田まで戻り、秋田局の方のはからいで、陸路を青森まで移動。青森へ着いた時には、すっかり暗く、リハーサルは早朝の5時過ぎにすることにした。本日の移動時間は7時間半。災害の渦中にいる時は、情報不足に陥るという事を実感した。

40台近くの観光バス
8月20日(土) 石川県かほく市
 海沿いの公園が会場。早朝に観光バスが40台近く集まった。すべてラジオ体操の参加者だ。かほく市は、合併した為にかなり広くなり、遠くにお住まいの方を早朝 集めるには 巡回バスを走らせるしか無いらしい。全国の市町村合併が増えているので、これからはこういう光景が増えるのかもしれない。